【TOMまつを】新聞配達の思い出その1 わかってしまうと見えるようになる、アレ(笑)

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新聞配達の思い出

今から数十年前、当時中学二年生だった私は、レース鳩の記録を計測するための「ピジョンタイマー」なるものを買うべく、秋も深まった11月頃からいきなり新聞配達を始めた。

諸事情あり、1年程しか続ける事はできなかったが、何故かその時に体験した多くの出来事が、今でも強烈な記憶として残っている。ブログでは、つい真面目な話をしてしまう私の、ちょっとした息抜きコーナーとしてその体験を残しておこうと思う。

友達から聞いたちょっと恐い話

とある日、学校で友達から不気味な話を聞いた。。。

ニュースで見たらしい話だったが、どこかの家で火事があり、床の間の掛け軸が燃えてしまった。その掛け軸の後ろの壁から、狐の顔のような、なんとも不気味な形の文様が浮き上がっていたというのだ。ニュースで実際の映像が出たかどうかは、今となっては定かではないが、その話を聞いていた皆で、落書きを書いてイメージを共有し合った。

私の心に残ったのは「ガンバの冒険」の「ノロイ」のイメージだった。小学生の頃、大好きでよく見ていたその番組の「ノロイ」が出てくるシーンは(決してそんな素振りを周りに見せなくても)心底ブルっていた。(笑)

学校の昼休みに、皆で話しているウチは、まあ楽しい時間なのだが、帰宅時間になっても、その映像が頭から消えない。家に帰って親に話してみても、親はどこか上の空、結局次の朝新聞配達に出掛けるために、朝を迎えたが、起きた途端にイメージが蘇る始末だった。

新聞配達先のとある家の戸袋に、、、

冬である。起床は4:50分、外は真っ暗である。

恐怖イメージは鮮明なまま、かなりビビった状態で営業所に顔を出す。私の担当エリアは50数件だったので、チャリンコで1時間もあれば配り終えてしまう。まずはいつもの1件目、ちょっとした門があり、そこから玄関まで約数メートル。大きなサッシの横に、雨戸用の真っ白な戸袋があった。今まで全く気にもとめていなかった。。。

ふとその白い戸袋に目をやった瞬間、終始、ビクビクしていた14歳の私の脳は、そこに、昨日友達と話していたそのイメージを見つけてしまったのだ。

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もちろん、いきなりその絵が現れたわけではない。。。

薄暗い街灯や、周りの木々、様々な物達の光と影が、創り出した絵だった。。。何のことはない、今までもずっとそこに映し出されていたのだろうが、、、騙し絵なんかによくある、わかってしまうと見えるようになる、アレだ。。。(笑)

私は自動車のライトにいきなり照らし出された猫のように、停止してしまった。。。そこから、その恐怖映像から目を反らさずに、恐る恐るゆっくりと動き出した。目を反らすと、襲われそうな気がしたからだ。。。そんなわきゃないのだが。

そして、ゆっくりとポストに新聞を入れると、帰りもゆっくり目を反らさずに、通り過ぎ、チャリンコに乗った途端に全速力で次の家へ向かった。何が起きたのかわからなかった。。。というか、実際は何もおきていなかったのだが。。。

その後の対策

さあ、困った。次の日からどうしよう、、、

私は懐中電灯を毎回持って行く事にした。

それまでは、一応街灯があるし、チャリンコのライトでも全然しのげていたので、懐中電灯は持っていなかった。

私は最新の武器を手にしたかのような気分で、いつもの1件目に向かう。そして白い戸袋に向かって、懐中電灯を照射する!!

その瞬間、恐怖の絵は跡形もなく消え、白いままの戸袋が映し出される。ポストに入れて、チャリンコに戻るまで、照射し続ける!!

 

勝った。。。(笑)

 

そして、その私の中の小さな戦いは、日々続いた。14歳の私にとって、ただの懐中電灯は、最強の武器になった。

春の訪れ

そんな戦いの日々も、とある晴れた朝の日に、終結を迎えた。

春が近づき、日が昇るのが早くなってきたのだ。冬の間、、、光と影が創り出した怪物は、懐中電灯どころか、太陽の光という全能の神によって駆逐された。

その年の冬には、受験もあり、さすがに配達を辞めてしまったので、もうその怪物に出会う事は二度となかった。。。

そんな、誰も知らない小さな戦いの日々を今でも時折思い出す。。。